猫のワクチン
 
| ここでの記載は、あくまでも私個人の1意見です。 | ||||
| 日本国内において、猫のワクチンは以下のものが販売されています。 実際に使用した感想は、 不活化ワクチン接種後に発熱することが多く、 生ワクチンでは逆に副作用がほとんど出ないという印象です。 特に不活化ワクチンしかない白血病を含むワクチンを接種した猫では、 その日から次の日にかけて発熱し、食欲や元気がなくなっていることがかなり多いです。 猫白血病ウイルスの感染は、私の地域では多く(特に野良猫)、 このウイルスに感染し発症した場合、白血病や貧血など重篤になることが多く、 それらの治療はかなり大変で難しいです。 | ||||
| ワクチン誘発性(関連性)肉腫は、何が原因だかを証明することは出来ません。 この肉腫の発生は昔は多くなく、狂犬病ワクチンや白血病ワクチンが接種されるようになってから、 ワクチン接種することの多い肩甲間に発生が増えてきたことがワクチンが疑われる一因になっています。 先に述べた猫のワクチン誘発性の肉腫は、 最も危険が高いワクチンが狂犬病ワクチン(米国では投与されています:確認した限り全て不活化ワクチン)、 次に白血病のワクチンだと報告されています。(確認した限り、全て不活化ワクチン) また、同一部位にいくつかの種類のワクチンを投与した場合もその発生を上げると言われています。 最近では、ワクチンにかかわらず、異物となったものは、肉腫を発生するともいわれています。 (現にワクチン以外での肉腫の疑いも経験しています) しかしながら、私には、不活化ワクチンがその発生を上げているようにしか思えません。 | ||||
| ゆえに当院では、 病気の危険性と発熱の問題などをお話し、飼い主さんに、 白血病を含むワクチンか、白血病を含まない生ワクチンを投与するか選択して頂いています。 また、白血病を含むワクチンに関しては、 どの白血病を含むワクチンも発熱することが多いこと、少しでも多くの種類の病気の予防効果を上げるため、 当院では、6種ワクチン(フィライン6)の投与をお勧めし、 (猫のカリシウイルスの予防効果が高い(メーカー資料)) 白血病を含まないワクチンは、アジュバントを含まず、投与後に発熱などの問題が認められなかった、 3種ワクチン(トライキャット)の投与をお勧めしています。 | ||||
| もし、ヒトにおいて、ワクチン投与後に、肉腫が発生することがあるなら、 きっと、そのワクチンは使われなくなるか、限りなく肉腫の発生しにくいワクチンが開発されると思います。   しかしながら、残念なことに、猫の肉腫の発生の危険より、 白血病ウイルスの感染による病気の来院の方が明らかに多いため(死亡も多い)、 当院では、外に遊びに行く猫ちゃんや白血病ウイルスの多い地域に住む猫ちゃんには、 白血病ワクチンの接種をお勧めしています。 ただし、肉腫の発生を少しでも下げるため、同一部位になるべく打たないようにしています。 (1回目左後肢、2回目は右後肢など) また、万が一、肉腫が発症した場合でも、手術による切除が可能な部位に投与し、 (前肢や後肢や尾) 少しでも猫ちゃんの危険を低くするように心掛けています。 | ||||
| 最近、猫の白血病予防のワクチンで不活化ワクチンでありアジュバントを含まないものが発売されています。 これらは肉腫の危険が少ないという意見も聞きますが、 現在はまだ危険がわからないと言うことで使用は見送っています。 | ||||
| 猫のワクチン関連性肉腫を予防するための1つの目安 ・接種部位は四肢などにし、肩甲間付近には絶対に接種しない ・ワクチンを接種した場所をきちんと明記し、可能な限り同一部位にワクチンを接種しない  (白血病ワクチンなら左後肢、3種ワクチンなら右後肢に接種するなど) ・極力、種類の多いワクチンは接種しない ・アジュバントを含まないワクチンを使用する | ||||
| 日本にある猫のワクチン | ||||
| 商品名 | 予防の病種 | ワクチン種 | アジュバント | 白血病 | 
| トライキャット | 3種 | 生ワクチン | 含まない | 含まない | 
| フェロバックス5 | 5種 | 不活化ワクチン | 含む | 含む | 
| フェロバックス3 | 3種 | 不活化ワクチン | 含む | 含まない | 
| フェロガードプラス3 | 3種 | 生ワクチン | 含まない | 含まない | 
| パナゲンFVR C−P | 3種 | パルボのみ不活化 | 含む | 含まない | 
| フェロセルCVR | 3種 | 生ワクチン | 含まない | 含まない | 
| フィライン−7 | 7種 | 不活化ワクチン | 含む | 含む | 
| フィライン−6 | 6種 | 不活化ワクチン | 含む | 含む | 
| フィライン−4 | 販売中止 | 不活化ワクチン | 含む | 含む | 
| フィライン−3 | 販売中止 | 不活化ワクチン | 含む | 含まない | 
| フィライン−CPR | 3種 | 不活化ワクチン | 含む | 含まない | 
| ビルバゲンCRP | 3種 | 生ワクチン | 含まない | 含まない | 
| フェリドバックPCR | 販売中止 | 不活化ワクチン | 含む | 含まない | 
| リュウコゲン | 1種 | 不活化ワクチン | 含む | 含む | 
| フィバキシンFeLV | 販売中止 | 不活化ワクチン | 含む | 含む | 
| フェロバックスFIV | 1種 | 不活化ワクチン | 含む | 含まない | 
| ピュアバックスRCP | 4種 | ヘルペスとパルボが生 カリシが2型あり不活化 | 含まない | 含まない | 
| ピュアバックスRCP Ch−FeLV | 6種 | ヘルペスとパルボが生 クラミジアが生 遺伝子組換白血病 (カナリア痘ウイルスに組換) カリシが2型あり不活化 | 含まない | 含む |